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家に入り、周りに異変が無いか確認するが、荒らされた形跡は無かった。
アパートだから、キッチンに居間トイレ風呂付きで、押し入れが無いから隠れることは不可能。
「ちょっと、風呂洗って来ていいか?その間に、キッチン漁ってて良いから。」
「分かりましたわ。一人暮らしって大変なのですね。」
「頑張れ~♪」
俺は洗面所に入り、洗濯機の横の隙間から木製のトンファーを取り出した。
隠れるとしたら風呂場のみ。俺は細心の注意をはらい風呂場に入った。
そして、俺は絶句した。
風呂の綺麗さに。
別に普段から、カビ水垢だらけって訳ではないが、この綺麗さは異常だった。
まるで、その空間ごと新しくしたかのような、到底一時間以内で出来るような所業ではない。
「何か手伝うことはありませんか?」
「いや、大丈夫だ。後は湯舟に湯を張るだけだから気にするな。」
「そういえば、貴方案外と綺麗好きなのですね。」
「なぜだ?」
「先程、おトイレをお借りしたんですが、とても綺麗で芳香剤の匂いなのか、良い香りがしましたので…」
「そうか……」
俺はお湯を出しながら考えていた。なぜ、俺の家に入ってきたのか、荒らされて無いのか、トイレ掃除風呂掃除など、証拠が残るようなことをしたのか、どうやって少ない時間でここまで綺麗に出来たのか、犯人の目的は……
「キャー!!」
その時、居間から叫び声が聞こえた。
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