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‐非行少年‐
西日が差し、揺らぐ陽炎の中にぼやけて映る3階建ての廃校舎。
周囲は1メートル程にまで成長した雑草が生い茂り、そこから伸びてきた蔦(つた)が網のように這い、コンクリートの白壁を覆っている。が、建築物としては近代的な構造で、老朽化が進んでいるどころか、完成してまだ間も無いようにも見える。
恐らく、建てたまでは良かったものの、数年前から継続している不況と少子化の煽りを食らい、廃校となってしまったのだろう。
――そんな光景が広がる"世界"に「オレ」は居た。
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