‐非行少年‐

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    「つか後は何が残ってたんだ?」 ギャラリーに促されて、ローテーブルに突っ伏しながら左手に持っていた5枚を放り出す。 このカードゲームじゃ弱い分類に入る"3・4・5"と"8"が2枚……。 「ぇ、コレ"階段"すりゃ勝てたくね?」 「あー確かに。"3・4・5"出して"8"2枚で"8切り"、"10"2枚で完封じゃん」 「バカだなー」 「っせぇよ!!"階段"ってのがまだイマイチ理解出来てねぇんだよ!!」 「頭ン中もちっせぇと苦労すんな?」 「ちっせぇ言うなッ!!」 と怒鳴りながら心中で安堵をつくオレ。 このまま皆が"階段"とやらに気を取られて、オプションの事を忘れてくれれば……! 「だが負けは負けだ。さ、引いて貰おうか?」 「……ですよねー……」 今回の"大富豪"様がローテーブルに放置されてた54枚のカードを1つに纏めて、それをよく切った山札をオレに差し出された。 そう簡単に"罰ゲーム"の存在は忘れて貰えなかった。 まぁ当然と言えば当然か。 何せ"大富豪"に使ってたそのカード自体に"罰ゲーム"の内容が記されてんだから。 ……ったく、誰だよこんなトランプ考案した奴! .
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