第一章 彼女との出会い

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「は~い。それでは席についてください」 すると担任の先生が教室に入ってきて、席を離れている生徒達に座るよう促した。 「あ、それじゃ」 そう言って、指定された自分の席に戻っていく彼女。 僕の体はしばらく恥ずかしさで火照ったままだった。 そうして担任の先生――――春日谷(かすがや)先生の自己紹介が始まり、僕達の自己紹介が始まった。 内容は出席番号、名前、所属している部活、出身中学、それと趣味特技だ。 「……え~と、出席番号1番、綾道良平です。 所属している部活はバスケ部で……出身中学は北園中学。 趣味は読書で、特技は特になにもありません。 よろしくお願いします」 か細い声でそう言うと、ぺこりと頭を下げる。 こういうとき、僕が大体一番になってしまうので非常に困ってしまう。 何を話したらいいか分からないし、どこを見たらいいのかもまるで分からない。 なによりクラス全員の視線が僕に集中するのがとても怖い。 まるで裁判にかけられているかのような気分に陥り、声が震えてきてしまう。 それでもなんとかやり遂げると、逃げるように椅子に座って、背を縮こませて丸くなった。 そうしてゆっくりと視線を横に這わせる。 早くも後ろの席の子の自己紹介が始まっていて、誰もこちらを気に留めている様子はなかった。
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