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そして園寺君の次の番に回り、僕の視線は自然とその人物に固定される。
さきほど透明人間の僕を見つけて話しかけてきた女子だ。
「16番高島桜(たかしまさくら)です。
所属している部活は文芸部で、出身中学は北園中学。趣味は読書で、特技はその気になれば一日中寝れることです。
これから一年間よろしくお願いします」
ぺこり、と可愛らしく下げた彼女の頭を、僕はどこか信じられない気持ちで眺める。
まさか彼女が僕と同じ中学出身だったとは!
クラスが八つもあったから、例え面識がなかったり相手のことを覚えていなかったりしても無理はないのだが、それにしたってこの驚きは半端なものではない。
というか、彼女は“あのこと”について何か知っているのだろうか……?
いやそれは絶対ないと思いながらも、僕の心は不安で揺れ動いていた。
なぜ不安になる必要があるのかと、頭の片隅の冷静な部分が語るのを聞きながら――――。
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