序章 それは始まりにすぎない

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夕暮れ時… オカルトをかじっている人なら『逢魔が時』と答える時間、 俺は旧部活棟の暗い廊下を一人歩いていた。 ギシッ…ギシッ… ギシッ…ギシッ… 「ったく… 使われなくなってから、 かなり建て付け悪くなったなぁこの床。」 俺は愚痴を漏らしつつ先へと進む。 ここは憑黄泉高校。 築数十年という歴史ある高校で、 改築された場所もあれば、 今俺が歩いている旧部活棟一階のように未だに古い所もある。 そしてこの高校を有名にしたのが… 怪談…つまり、 怖い話の類だ。 憑黄泉高校は建築歴が古い為か、 度々怪現象や怪異等が起こる。 それがネットなどで広まり、 今や芸能人が幽霊ロケなどで訪れる時もある。 だからこそ、 ここの生徒は今俺が向かおうとしている場所によく来るのだ。 「さて… ここだな。」 長い廊下を歩き続け、 俺はやっと目的の場所にたどり着い。 「…みんないるのかな?」 コンコン… 俺が扉を叩くと、 「はーい、開いてるわよ~。」 と言う声が聞こえ、 俺は建て付けの悪い扉をこじ開けた。 ゴンッ!! 「いてぇ!?」 と同時に、 俺の頭に強い衝撃が走った。    
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