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香「ひぃっ!?」
ワンピースの女を見て香子さんが悲鳴をあげる。
女はニタニタ笑いながら階段から現れ、
俺達の前に立ちはだかった。
女の顔は髪で覆われて見えなかったが、
その髪の隙間から俺達を見る目は真っ赤に充血し、
まるで標的を見つけた獣のように、
鋭く俺達を見つめる。
そして女の右手には血塗られた草刈鎌が握られていた。
『コ…デ……ワ…』
俺達が固まっていると、
女が何か呟きながら鎌を振り上げる。
そして、
『コレデオワリ』
女はそうはっきりと言って、
鎌を香子さんに振り下ろす。
霊「危ない!!」
俺はとっさに香子さんの腕を引っ張った。
その瞬間、
鎌はヒュンと言う音をたてて香子さんの髪をかすり、
床に突き刺さった。
霊「和仁!!
香子さん!
とにかく今は逃げよう!」
和「同感だぜ!!」
俺は香子さんの腕を引きながら、
今来た廊下を全力で走りだした。
『ニガサナイ…
ゼッタイ…ニガサナイ…
ウヒャヒャヒャヒャヒャ!!』
女は床から素早く鎌を抜き、
笑いながら俺達を追いかけ始めた。
霊「和仁、
お前は部室棟に逃げてくれ!
俺達は教室棟に逃げる!!」
和「あぁ!!
多分狙いは香子さんだが…
わかった!」
階段付近で、
俺達は和仁と別れる。
すると女は、
何故か和仁を追いかけだした。
和「え、ちょ、何故俺!?
う、うわぁぁぁぁぁ!!」
和仁は女に追いかけられて部室棟に走って行った。
俺達は月夜さんに開けてもらった教室に入り、
鍵をかけてへたり込んだ。
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