story6、歪みのハート

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物心ついた時から知っていた 本当に愛すべきなのは “不思議の国”を統括する存在である王にして、美しすぎるこの少女であることを…… これは他の住人達は知らないハートのジャックとハートの女王・ダイナの物語─── 今から数年前… “不思議の国”が“不思議の国”として産声を上げ、意志を持ち目覚めて間もない頃、同時に“国”を統括する存在として生まれた女王・ダイナの元に2人の騎士がやって来た ハートの女王として生まれた子供に親は必要ない 子供は生まれる為だけに母親を媒体にして、生まれ落ちると同時に母親を殺すとされている 実際、ダイナもそうだった ダイナもそれを他のトランプ兵達が話していたのを聞いて知っていた 生を受けてまだ6歳にして、一国の王… 寂しくないはず無いのに 母親が恋しくないはず無いのに 誰もダイナに近付かず、気付かないふりばかりする そんなダイナの前に女王の“側近”として騎士2人が深々と頭を下げていた ダイ「貴方達は誰…?」 幼くキラキラ輝く瞳は好奇心に揺れ、黒髪短髪で銀色の瞳をした騎士に聞いた ジャ「我が名はハートのジャックです。」 ジャックは無表情で、淡々と答えた ダイ「そう…ジャックって言うのね。お隣りの貴方は?」 ダイナの瞳はジャックの隣りの銀髪短髪で黒い眼をした騎士に聞いた エース「私の名前はハートのエースと申します。どうかよろしくお願いします、小さな女王様…」 エースはジャックと違い顔を上げ笑みを浮かべると、ダイナの手を取りその手にキスをして見せた ダイ「あ……」 その行動にダイナは顔を真っ赤にし、硬直してしまった エース「小さな女王様には少し早いご挨拶の仕方だったかな?」 エースはそれだけ言うと笑いながら大広間を後にした
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