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ジャ「女王は一体何をお考えなのか…」
廊下を歩きながら、ジャックは先ほどのダイナの言動を思い浮かべ、不意に口に零した
エース「分からないのかい?ジャック…」
複雑な表情をしているジャックとは違い、エースは相変わらずニコニコしている
ジャ「何……?」
ジャックはピタリと足を止めた
エース「これは小さな女王様の思いつきのゲームだよ。」
ジャ「ゲーム……だと?」
エース「簡単なことさ。最初に女王様も言ってたけど、“在りもしない国の白の女王”なんて有り得ない…だって無い国に王なんて居ないから、これは真っ赤な嘘の話だ。」
ジャ「それなら何故手紙など書いたんだ…?」
ジャックが指差したその手紙を、エースは躊躇なく封を開けてみせた
ジャ「!?」
驚きのあまりジャックは声を失い、目を見開いた
エース「大丈夫、これはゲームなんだよ。ハートの女王様が自分の隣に置くカードを決めるゲーム…」
つまり
エース「ハートの女王様の婚約者として迎える、ハートの王様を決めるゲームってこと。」
ジャ「ハートの王…?婚約者??」
次第に頭はパニックになり、ジャックは髪を掻き乱し始めた
エース「ほら、この手紙はただのクジさ。つまり、これを預かった私がハートの王ならぬ、ハートの王子としての権利を今得ている状態だ。」
開かれた手紙の中の紙を開くと、真っ白な紙の真ん中に赤いハートマークに王冠を記した絵が描かれていた
エース「無き国を捜し、疲れ果てた頃に気になる手紙を開き、目にするのはこの絵…。」
ジャ「絵のことを追求すれば、女王から婚約者にと抜擢されると…?」
こんな馬鹿げたことを
ジャ「信用出来るか!!」
握りしめた拳は堅く、怒りに震える
エース「私も…馬鹿げたゲームに参加したくない。寧ろ、興味ないね…」
エースもまた手にしていた手紙を投げ捨てると、腕を組み壁にもたれかかった
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