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「マジで、一生気づかれなかったらどうしようかと思ってた。でも、そうやって緊張してるおまえの顔なんて、今まで見たことないから・・・俺まで、すげぇドキドキする。―――――ほら」
藤村は、あたしの手をとって自分の左胸に導く。
・・・速い、心臓の拍動。
あったかくて、湿度のある肌。
「・・うん。あたしも、ドキドキしてる。なんか、いまさらなのに・・・・」
そうあたしが言うと、藤村は首を横に振った。
「いまさら、じゃねぇよ。今から、じゃん。俺たち」
これから。
そう。
あたしたちの新しい関係はこれから始まる。
これから・・・・・・
トモダチ、だけじゃない。
恋人、だけじゃない。
あたしの、一番、大切なひと。
「・・・・うん」
藤村のその言葉に、あたしはゆっくり肯いて目を閉じた。
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