来るもの拒まず去るもの追わず

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「フェレスぅぅぅぅ!!」 「抱き着くなよキメえなっ。なにしてんだよ」 「いつもの賭け試合ですがなにか?」 「・・・毎回言ってるがな、騒ぐのは別にいいし。サイス、お前が賭け金の上前を巧妙にはねる『なにぃ!』のも俺に関係ねーからいいが」  トンと棒を地面につけると、先程と図式の違う魔方陣が淡い翠色の光球を溢れ出しながら現れた。 「ふぇ、フェレス?」 「元素は新緑、芽吹くは伸縮自在の麻蔓よ」 「フェレスさん?フェレスさま?」 「目するは、対象を絡めとり捕縛せよ。汝は・・・束縛の蔓草なり」 「フェっフェrむが!むご!?」  優男風体の男の言葉を無視して呪文を唱えると、魔方陣から幾重に重なり植物の蔓、蔦が現れて優男を四肢のみならずその口にも猿轡のように這いずり縛りつけ動き封じ込めた。 「あとの始末はあんたらに任す。煮るなり焼くなり細切れにするなり好きにしろ」 『お、おう・・・』  大々的な魔術を、目の前の人物が難なく行なったことにギャラリーは目を丸くし、ただただ呆気にとられているようだ。 「ふがっうが!!」 「サイス。骨はちゃんと拾ってやる心配しないで逝ってこい」 「ふぃがぁひぃがぁ!?」 「金返せ!」 「この守銭奴が!」 「リア充は爆発しろ!」 「このイケメンが!」 『往生しろやーーー!!』
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