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すると1人の少年が窓からこちらを見ていた とてもにこにことして明るい子だった 少女は少年を家に入れた 少年はこう言った たとえどんなに暗くても 明かりを入れれば大丈夫 真っ黒く乾いたキャンパスに 少年はクレヨンで光を入れた たとえどんなに黒くても 綺麗な花は綺麗に咲くよ 少年はクレヨンで色とりどりの花を咲かせた 少女はとても喜んだ 少年が付け足した色はとても鮮やかで綺麗な色だった 絵に見とれていた少女は少年がいなくなったことに気づいた 少女は少年を呼んだ 返事はなかった その代わり、 窓の外に咲いた鮮やかな一輪の花が風に揺れているのだった
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