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星那達がバスを出ようとしたとき、後ろから男の声が響いた。
『危ない、言い忘れるところでした。戦闘開始は全員が配置についてからだから、放送でお知らせします。あと、携帯電話など個人の通信機器は使えませんからそのつもりで頑張ってください』
星那はぐっと唇を噛み締めた。
バスを降りると、軍隊の車が周りを包囲するように停まっていた。
兵隊の一人から星那たちのグループは道具箱のようなものを幾つかと大きな袋を受け取った。
「お前たちの配置は、区画Eー5だ。早く行動しろ」
星那は左手に大きな袋を引きずりながら、右手で菜摘と手を繋いで男子達の後を追った。
電気さえついていない、廃墟と化した遊園地には車のエンジン音しか聞こえない。
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