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何で私達がこんな目に遭わなきゃならないの…?
星那は重い袋を引きずりながら、菜摘を抱えて走る竜之介と隼人と翔の後を追いながら、気付くと目に涙を溢れさせていた。
視界がぐにゃりと曲がる。
かつての遊園地は廃墟と化し、舗装されていたアスファルトの道にはごろごろと廃棄物が転がり、あちこちが植物に侵食されている。
足がもつれそうだ。
汗ばんでセーラー服の背中や胸元が気持ち悪い…。
何故今日に限ってスニーカーじゃなくローファーを履いてきたのだろう。
ふと首に手をやると金属製の首輪の存在を思い出す。
背筋に悪寒が走る。
ひとみは…三塚ひとみはやって来るのだろうか?
大人しくこの首輪をつけて?
「…本……坂本!!」
「…えっ…?」
「遅れるなよ、しっかりしろ!」
竜之介の声がする。
駄目だ、次々起こる出来事にくらくらするけれど、どのみち今は逃げる術も思い付かない…
しっかり、しなきゃ…。
「うん、待って…」
支給された袋は何が入っているのか異常に重い。
後で確かめよう…
翔と隼人はそれよりもさらに重そうな箱を二つずつ担いでいる。
「もうすぐでEー5だ。あと少しだから」
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