2人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ
不意に、キィーンという音が鳴り響いた。
「……?」
第一班のメンバーは茂みの中で顔を見合わせて身を固くした。
『…みなさーん聞こえますかぁー』
「……!」
A組の担任の千春先生の声だ。
『全員がバスから降りて配置に着いた頃と思われまーす。まだ着いていない班はありませんね?あと5分で戦闘開始にしまーす。
始まるまでに最後の連絡事項を言いまーす』
「…千春先生…なんで?」
星那は気づかないうちに口に出してしまっていた。
千春先生は、今日のことをすでに知っていたのか?
政府に取り込まれてしまったのか…?
廃墟のあちこちに取り付けてあるであろうスピーカーから聞こえてくる千春先生の声がなんだか妙に夜空に明るく響いて、星那の体は勝手に震え出した。
「坂本大丈夫かお前?」
翔が訝しげに星那に声をかけた。
「シーッ、静かにしろよ!!放送が聞こえねえだろ」
それに被せるように隼人が声を押し殺して言う。
『まずー、エキスポランド内にいる兵士の数は両組全てあわせて25名でーす。
万博記念公園にいる生徒は44名でーす。
クラスは関係なく班ごとにランダムに配置しましたー。
地図を見てもらえば分かりますが、2つのエリアを繋いでいる橋は中央橋と
万国橋の2つでーす』
最初のコメントを投稿しよう!