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助けて…
助けて…
助けて…
「…たすけて…」
いつの間にか、心で呟いていたはずの「助けて」が口に出てしまっていた。
「大丈夫だ、ここにいるのは皆仲間だから。お前を殺したりしない。」
竜之介は星那の肩を両手で支えて言った。
「…千葉くん…」
やっぱり、優しい。チバリュウノスケは誰にでも優しい。
そんなところがあるから、あたしは好きになったんだ…
優しいって…強いんだな…
星那は少しずつ震えが落ち着いていくのを感じた。
少し心に余裕が生まれた瞬間、目に入ったのは
竜之介の後ろに立ち尽くしている菜摘の冷たい目だった。
プアアアーン
そのとき、開始のラッパの音が響いた。
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