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ババババババ
耳元で銃声が響いた。
「……っ!」
星那は思わず閉じた目を恐る恐る開けた…
「!!!」
誰かが倒れている。
隼人だ。
撃ち抜かれた頭部からドクドクと鮮血が溢れ出しているのが暗闇でも分かる。
(何これ、まるでホラー映画に出てくる人形じゃない……)
「逃げろ」
竜之介が短く叫んだ。
どこから襲撃されたのか分からない。
星那は立ちすくんでしまった。
まだ脳内で状況が理解できない。
翔は足元に散らばっている武器をかき集めて茂みから飛び出した。
「翔、危ない!」
ババババババ
翔はコンクリートの地面の上に呆気なく倒れた。
またもや敵の射撃が命中したのだ。
「天野くん……!」
「道の向こう側の物陰に誰かいるぞ、茂みの奥に隠れるんだ」
竜之介は星那と菜摘を奥へと押しやった。
「千葉くん、武器が……」
星那は翔の方を指して言った。
大事な飛び道具系の武器は翔の体の周りに散らばっている。
しかしあそこまで取りに行けば敵の餌食になってしまう。
「くそっ…もう、逃げるしかない」
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