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「少しここで若杉を待とう。10分経って来なかったら探しに行く。…とりあえずは最善策を考えよう」
「…うん」
星那と竜之介はフェンスを背に隣同士並んで座り込んだ。
どこか遠くの方でかすかに銃声が響いた。
また誰かが、人を殺そうとしている。
同じA組の中の誰かだとは思いたくない。
かと言ってB組だって昨日までは隣の教室で授業をしていた仲間だ。
何故、そう簡単に殺し合う?
星那はパーカーをかき寄せ身体を腕で抱きかかえ出来るだけ小さくなろうとした。
「千葉くん」
「どうした」
「みんななんでそんな簡単に人殺しになれるの?そんなすぐに割り切れるのかなぁ」
「俺は人殺しはしない」
竜之介は遠く前を真っ直ぐに見つめて言った。
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