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りえ子はすぐに直感した。
ひとみは確かに素行は良くないが、今回のようなことは初めてだ。
「…呼んで参りますので少しお待ちください。」
りえ子は携帯電話をそっと後ろ手に隠して奥の間に隠れた。
汗ばむ手で急いでひとみにメールを打つ。
三人の男は土足のまま上がり込んできた。
彼らが奥の部屋にりえ子しかいないのを見とめたのと携帯電話の画面が送信に切り替わったのはほぼ同時だったかもしれない。
りえ子は、携帯電話を音を立てずそっと布団の中に落としてから銃を向けながら近付いてくる兵士に向かって飛び付いた。
「公の力に抵抗する気か!」
ぱぁんと軽い銃声が響いて、りえ子は倒れた。
自由奔放にやってきた人生に終止符を打つなら今でいいわ。
りえ子の目は揺るがずに真っ直ぐ前を見つめていた。
…ひとみならきっと大丈夫
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