2人が本棚に入れています
本棚に追加
変だ。
ひとみは母親の身に何か起きていることを感じた。
そしてメールの文章が正しければ、恐らく学校でも何かが起こっている…
立ち止まって一瞬だけ目を閉じた。
…確かに何かが起こってる。
でもそれが何かは分からない
ただ、どうすればいいか考えている時間がない…
第六感を働かせるのだ…
メールに返信はしなかった。
ひとみはすぐに携帯電話を二つに折ってコンビニエンスストアのゴミ箱に捨てた。
そして走った。
駅には行かない。学校にも行かない。家にも戻らない。
まず、何か乗るものを探そう。
ひとみは路地に駆け込み、セーラー服を脱いだ。
用意していた着替えは、クリーム色のカッターシャツに黒いタイトスカート。
鞄にはハイヒールも突っ込んでいたけれど、走って逃げるには今履いているローファーの方がましだ。
ハイソックスは脱いで、素足でローファーを履いた。
もう制服はいらないだろうが、物をあまりに落としておくのは賢くないだろうという判断から、ひとみは少し重い鞄を肩に背負い直しまた走った。
最初のコメントを投稿しよう!