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『みなさん、目を醒ましてください。目的地に到着しました』
マイクを通して男の声がした。
ん?なんだろう?
もう市内についたのかな?
ぱっと目を開けると、バスの中は真っ暗だった。
…どういうこと??
すべての窓が外から遮光シートを貼り付けたように暗く塞がれていて外は全く見えない。
フロントガラスだけは塞がれていなく、外の様子がわずかながら伺える。
だけどそこから見える景色…夜!?
バスが学校を発車したのは午前9時半だったはず。
郊外学習は12時から自由行動開始で、夕方にはもう解散の予定だと聞いていたのに。
バスの中がざわめきだした。
「どういうことだよ…」
「何これ…首輪?」
星那はふと自分の首元に手をやった。
何か金属特有のひやりとした感触のものが首に巻き付いていて、外そうとしてもびくともしない。
異変に気づいた他の生徒達が次々に騒ぎ始めた。
「なんだよ、なんで窓が塞がれてんだよ」
「夜なの?郊外学習は?」
「何かあったの?なんで誰も気づかなかったのよ!」
「俺らを一体どうすんだよ…」
「意味分かんない…ね、これって何なの!!」
「怖いよぉ!!もう帰りたいんだけどぉ!!!!」
「ここはどこなんですか??」
『それではー、今から説明するので静かに聞いてもらいます』
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