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「大丈夫ですよ。土方さんの小姓ということにしておけば、だーれも手を出しませんって……」
「おっ、そりゃいい案だ」
「黙っとけ、新八! ---ったく、お前は犬猫を連れてくるのとは訳が違うんだぞ!!」
「こーんな可愛い小猫いませんって……」
青年の『可愛い』という発言が梨花にはどうしても『面白い』にしか聞こえなかった。
「いや、済まないね。もう少ししたら山南さんが戻ってくるから……」
ニコニコと人のよさ気な笑顔で男がお茶を出す。
(………確か…さっき名乗ってくれたんだよね。井上……源三郎……とか)
梨花の父親と同じくらいであろうか。
「-----で、ただ姉を探しにきただけじゃないんだろう?」
青年と…もう一人の男の人…土方の話し合い(?)は終わりを見せない。
途方にくれた梨花に一人の青年が声をかけてくる。
先程、梨花が『槍を持つ人』と見た男の人だった。
だが、刀をさしている。
(あら……予想と違った)
思わず状況を忘れてそんなことを思う。
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