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「ふ、ふふふふふ」
突然、笑いだした瑠璃子にギョッ、として妖精達が一斉に距離を取る。
「オ、オウル様」
「カケラ様が変になった」
「こ、怖いよー」
「長なんだからなんとかして下さいー」
口々に妖精達に言われ背中を押されたオウルは、渋々ながら瑠璃子に近付くと、
「そりゃっ!」
見事な体当たりでもって、瑠璃子を湖へと落とすという暴挙にでたのだ。
短い悲鳴をあげて湖に落ちた瑠璃子はブクブクともがき、水の中で手足をばたつかせた。
その視界に一瞬、何かが映る。
必死に水面に浮上しようとしながらもたしかに見たそれは、大きな樹の枝だとわかった。
「プハッ」と水飛沫とともに顔を水面から出した瑠璃子は、オウルに向かって怒鳴った。
「ちょっと何するのよ!?死ぬかと思ったじゃない!!」
「お主がいきなり不気味に笑い出したからだろうが!見てみい妖精達が怯えとるだろう!!」
オウルに怒鳴り返され、妖精達を見ればたしかに瑠璃子を見てウルウルと瞳に涙を溜め怯えている。さすがに悪いと思った瑠璃子は彼女達に素直に謝った。
「うわぁ、もう服ビショビショだよ、気持ち悪いー」
そうして裾を雑巾絞りしながら岸に上がると、離れていた妖精達が瑠璃子の側に寄ってきた。
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