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「ほぅ、ルリとな。あいわかった。お主をそう呼べばよいのじゃな」
オウルはルリの言葉に頷く。だが、妖精達は違った。
「えーカケラ様はカケラ様なのよー」
「カケラ様なのにダメなのー」
「なんでー」
「どうしてー」
妖精達は口々に言いながらルリを取り囲む。
「えーと、君達も妖精だけどそれぞれ名前があるでしょ」
「うん、あるよ!」
「それと同じで、世界樹のカケラがあると言っても一人の人間だからね。僕も名前で呼んで欲しいんだよ」
「「「わかった───」」」
ルリの言葉に納得した妖精達は素直に頷いた。
「ねぇ、そういえばルリ様は濡れたままでいいの?人間て濡れたままだと弱って死んじゃうんでしょう?」
そこへ妖精の一人が思い出したかのようにそんなことを口にした。
「「はぁ?」」
ルリとオウルは同時に声を出す。
そこでルリは、自分がいまだ濡れたままだったことを思い出した。
あまりにも美少年の姿だった為、テンションが上がったルリは自分がびしょ濡れ状態だったことをすっかり忘れていたのだ。
「いやー!?カケラ様死んじゃダメー!!」
「どうしよどうしよー」
「早く乾かさなきゃ!!」
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