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そんなルリに慌て出したのは他の妖精達だ。
半ばパニックになりながら、ルリを心配する。
「これこれ、おまえ達大丈夫じゃ。そのままにしておけば病に罹るかもしれんが、すぐには死なぬよ。なんせ人間はゴッキン並にしぶといからのう」
「「「なんだ~、よかったー」」」
オウルの言葉に妖精達はホッとするが、『ゴッキン』がなんなのかわからない瑠璃子は首を傾げた。
「虫じゃよ、カサカサ動いて、黒光りするカラダを持っていてのう。意外に素早く動くうえ、飛ぶんじゃよ。そういえば人間には嫌われておったのう」
「…それってなんか…」
ある生物を連想させられて、瑠璃子は顔を引き攣らせた。
「いずれお主も見るじゃろうて、なんせ何処にでもおるからのう」
ふぉっふぉっふぉっ、とオウルは笑う。
だがこの後、数十分後にそれとルリが対面することになろうとは、オウルはもちろん、ルリも今は知るよしもない。
「まぁ、それよりもお主のその格好じゃな。そのままではちとまずかろうて、早く乾かさないとのう」
「誰のせいだと思ってるのかな」
オウルの言葉にルリが睨めば、
「お主のせいじゃろ」
と、オウルはにべもなくルリに返した。
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