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──夕方17時48分
右手と左手に買い物袋。
もちろん、俺のではない。お決まりの荷物係ってやつをやらされてる、強制的に。
そしてこの買い物袋を買った本人はと言うと。
「きゃーっ!この服ちょー可愛い!えっ、でもこっちもヤバい!わー、どうしよう!?」
隣で超が付くくらいのご機嫌で服を見てる。
この異常なテンションのせいで、俺は何も言うことが出来ず、近くで立って荷物持ち。
「蓮っ、どっちの服が似合うと思う?」
突然喋りかけられ、ビクッとしてしまったけどバレない程度に何とか抑える。
百合の方を見てみると、可愛らしい白と水色の上着を比べるように俺に見せてきた。
こういう時って、どっちも似合うって言うのはNGなんだよな。色々な意味で。
どっちも本当に可愛らしくて似合うんだけど。
ここは慎重に選んでやるか。
「うーん…… 。白はどうだ?水色だと少しだけ派手な気がするし、合わせるのも難しいだろ」
「……?」
おいおい、なんだそのリアクション。
まるで、あの蓮がまともな意見を言うなんて……。みたいな顔しやがって。
「あの蓮がまともな意見を言うなんて……」
そのまんま言われた。
「悪かったな、まともな意見を言って」ふてくされる訳じゃないけど、なんか言って損した。
「うふっ、ごめん冗談。ありがとね──蓮。」
「──っ!?」
左の頬に温かい感触。
顔が熱くなっていくのが自分でも分かる。
「お前っ、こんな所で何をっ!?
」
「焦りすぎ。誰も見てないから大丈夫よ」
そういう問題じゃないだろ。
確かに、今のを見られるのも相当恥ずかしいけど。
今日で2回目のキス。
今までされた事もないのに、今日に限ってなんでこんなに……。
俺にそういう経験が無いって分かっててやってるだろ、絶対。
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