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──夕方16時00分
──キーンコーンカーンコーン。
学校終了のチャイムが鳴り、俺は荷物をまとめて帰る準備をする。
菊池 蓮(きくち れん)
現在、東京都内の普通高校に通う高校2年の17歳。
中学の頃はサッカー部に入ってたけど、今は帰宅部。
趣味はゲームをしたりパソコンをいじったりとかなりのインドア。
学校が終わってはすぐに校門を出て自宅に直行して部屋に入るってのが今の日常。
「さて、帰るか」
今日もいつも通り、俺はお気に入りのモノクロ柄のリュックを背負って教室を出る。
「蓮ーっ!ちょっと待って!」
何か聞こえた気がしたけど俺は何も聞いていない。
無視無視。
「無視すんなーっ!」
──ドカッ!
欠伸をしながらロッカーに向かっていた俺の背中から鈍い音がした。
「ぐはっ!?」
飛び蹴りだ。俺はそのままロッカーに向かってヘッドスライディング。
「必殺“後ろ飛び蹴り”!無視する蓮がいけないのよ!」
それ、不意討ちだろ。
後ろから飛び蹴りとは随分と卑怯な必殺技じゃねぇか。
お陰様で無様な状態になってるよ。ロッカーの目の前で。
「はいはい。無視した俺が悪かった」
廊下のホコリが付いてしまった制服を軽く払い、自分のクラス番号のロッカーを開けて靴を取る。
「じゃあな」
ドカッ!
今度は正面から飛び蹴りを食らった。いつの間に正面に回り込んだ?
でも、ピンクか。悪くないな。
「今、見たでしょ?」
これは──。殺気?
「いや、待て!確かにピンクは少しアレかなとは思ったが、今のは理不じ……ん」
顔面に追撃。
廊下に出て僅か1分弱。
計2発の飛び蹴りと渾身の右ストレートを食らった俺は力尽きた。
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