三章

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その場に崩れ落ちた俺は、 上目に丞を見る。 「ゲホッ……ゲホッ……丞、 俺を殺す気かぁ?」 俺は丞に皮肉な笑みを浮かべながら、 丞に話かける。 すると丞は手を伸ばしてきて、 俺を軽々と抱き上げてきた。 「うわっ……」 「殺すなんて……そんな訳無いだろ?」 丞はキョトンとした顔付きで、 俺を見つめている。 先程の丞と、 まったくと言って言い程雰囲気とかが変わっている。 忘れていた……丞は確か、 二重人格だった筈だ。 主人格の方は優しくて、 クールな性格の丞。 別人格の方は病んでいて、 俺様で非道な丞。 別人格になった時の事を、 丞は覚えていないと思う。
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