三章

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俺に抱き付いた丞は、 口元を狂喜に歪めながら俺の方を見る。 この笑み……彩希がたまに見せる笑みと同じだ。 俺はそんな彩希が大嫌いだ。 「嗚呼……本当に暁羅だ。 もう離さない。 暁羅は俺のモノだ。 誰にも、 誰にも渡さない。 俺から離れるのも駄目。 離れたら、 俺は暁羅を殺しちゃうかもしれない。 大丈夫、 暁羅が死んでも俺は暁羅を愛しているよ。 本当は誰にも暁羅を見せたくない、 暁羅の声も聞かせたくない……それ程俺は、 暁羅を愛してるよ」 「馬鹿……っ……今は協力が必要だ。 良いな? 傍にいてやるから……っ…… 仲間割れは止めてくれよ?」 俺を壁に押し付け、 俺の首を締める丞に言う。 その前に……苦しい……。 俺の想い? が通じたのか、 丞は俺の首から手を離す。 image=461227718.jpg
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