合宿『一日目』

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そして、僕たちは夕食も食べ終え、皆で御馳走様の挨拶をしてそれぞれの部屋へと帰る。部屋に帰ってもやることがない。ゲームをやりたくてもできない。 理由は、オリエンテーション合宿だからだ。オリエンテーション合宿は慣れない環境で過ごし、慣れさせる為の合宿だ。その為ゲームをしている暇があれば友達を作れとさ。 こんな理由のためゲームは禁止されている。もしバレたりしたら良くて戒告[カイコク]で、悪くて停学だね。でも携帯電話は持ってきても良いらしい。 でも、僕の携帯電話はあまり意味がない。何故ならメールアドレスには親である母親と、幼なじみで美人の萩嘉と、萩嘉の姉の榎奈さんと、後は、仁科と浅倉さんだけだからだ。つまり、携帯電話を持ってこようが意味がないということだ。 しかも、次のイベント………つまり行事はお風呂に入る事だ。お風呂に入れるのは9時からだ。もし、9時に行ってしまったら5組分の男子生徒が集まっているに違いない。そしたら狭く、気色悪い。だから敢えて終了時間10時30分のギリギリの10時20分に入れるのだ。 このことは仁科にも話している。そしたら仁科もつき合ってくれるだと。それで、今の僕たちの状況は二人ともベッドに寝ころんでいる。今の時刻は8時47分だ。だから僕はある提案を話した。 「なぁ、仁科。一階にあるお土産屋に行かないか?この後、一時間以上も暇だから一緒にいこうぜ。」 枕に顔を埋めている状態から、横に顔を逸らしこちらを向いて 「………ぅう。今はパス。お前の分まで食べたからお腹が一杯だ。」 「…………うん、分かった。取りあえず一人で見てくるよ。」 僕はベッドから起き上がり準備をする。 「…………ぅう。取り敢えず元気が出たら俺も行くわ。俺もお土産を見たいからな。」 僕は仁科の返事を聞き部屋を後にする。それから階段を降り一階のお土産屋に到着するとそこには10人ほどお土産を見ていた。
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