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お土産屋に着いてから20分くらい経った。この20分はずっとお土産を見ていて、買おうか迷っていてた。20分間迷っていて結論は出た。それは今、買うなら最終日に買う。ということだ。
それにまだ、仁科は来ない。お土産屋に一人でいるのは心細い。それからまた、お土産を見ている。見ているのはストラップだ。某海賊王を目指す漫画のキャラクターだ。それを見ていると後ろから誰かが僕に話しかけてきた。
「………それ、良いと思うわよ。此処の県にしかない物よ?買って損はないと思うわよ。」
僕は後ろを振り向くとそこには女子にしては身長は高く、多分僕と同じかそれ以上だ。それに黒い髪を腰辺りまで伸ばし、容姿に関してはかなりの美人だ。かわいい系じゃなく美人系だ。そんな女子生徒がいた。
「…………え…………えっと。そうなの?良く知ってるね。えぇと」
僕はこんな美人に話しかけられるのは久し振りなのでたじろぎながら話す。
「夥多岸 しずり[カタギシ シズリ]よ。よろしく、久我原君。」
「………よろしく。」
「どうしたの?そんな顔をして、気色悪いわよ。ふふふ。」
僕はボーっと見つめていると夥多岸さんが顔を傾けながら良い笑顔で罵倒してきた。………罵倒?
「………っておい!!いきなり罵倒?ビックリするわ!!初対面に良い笑顔で罵倒する人なんか始めて見たわ!!」
僕は思わずツッコんでしまった。夥多岸さんを見るとやはり良い笑顔だった。
「………本当に良い笑顔だね。そんなに僕を罵倒できて嬉しいの?」
「ふふふ。いえ、貴方と話せて嬉しいのよ。」
夥多岸さんは罵倒の次は嬉しいことを言ってきた。これが飴と鞭か。しかも僕と話せて嬉しい?これは嬉しい。
「そんなことより、夥多岸さんは今日お土産を買うの?」
「いえ、買わないわ。今日買うなら最終日の日に買うわ。」
「あっ、それ僕も思ってたよ。」
「あら……………一緒の思考なのかしら。ふふふ。…………ハァ。」
夥多岸さんは最初は嬉しそうだったが最後ため息が聞こえた。この人は僕のことをどう思っているのだろうか?
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