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部屋を出てからというもの、行く宛も無い。仁科にはああは言ったが一人じゃあ行く気も起こらない。部屋を出ると皆は行く準備をしており、行く人はグループになって行動する。
僕は左手に付いている腕時計で時間を確認すると7時40分となっている。あと約4時間一人でぶらぶらと彷徨わなければならないと思うと、なんだか泣けてくる。ボッチだ。
そして僕は今、ホテルの階段を降りている。エレベーターはあるにはあるのだが、朝食が終わり、行く準備をする為、部屋に戻ろうとしてエレベーターを使う人たち。行く準備が整い、外へ出かける為にエレベーターを使う人たち。
この連中の為にエレベーターは今、絶賛満員中なのである。待てば乗れるのだが、何故か一人で乗るのは恥ずかしい。友達が一緒にいれば大丈夫なのだが、何故か一人では乗れない。だから今階段を降りているのだった。
その階段を降りている途中、すれ違った女生徒を目で追う。清純な女生徒のスカートの中が見えそうになる。僕は見逃すまいと必死で態勢を変える。それは無理に変えた為、逆に態勢が崩れる。
「ーーーとうっ!」
まだ下には8段相当の段数を残し精一杯ジャンプする。着地は成功した。だが、そこで8段上からジャンプした事ない僕はどれほど衝撃がくる事を知らなかった。足にくる衝撃はとてつも無かった。
「………ぐぃっ!」
両足で、しかもちゃんと衝撃を殺す為に膝を曲げれていたら衝撃は和らげられたかもしれない。だが、無理な態勢からのジャンプだったので、着地は片足からだった。僕は足を捻り、前の壁へとぶつかる。それも顔から。一応、両手でガードはしたものの、痛い。
だが、後悔はしない。あの純情可憐な女生徒のスカートの中を見ようと必死になって頑張ったのだから。そして知った。8段上からジャンプはもう体験したくないと。それと知った。あの純情可憐な女生徒のパンツの色は
「…………まさかの純白、だったなんて。」
だが、後悔はしないものの、もしこの場面を見られていたなら、死にたくなる。変態である。すれ違った女生徒のパンツを見る為に階段から落ち、しまいには足を捻り、顔面を強打して最後にはニヤけるなんて。
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