始まり

3/5
前へ
/23ページ
次へ
僕は走った。すぐに走った。今いる場所のリビングから萩嘉がいる玄関まで直行した。チャイムが鳴る前はリビングで母親とくつろいでいた。そして、玄関で靴を履き母親に『いってきます』の一言。 そして、玄関のドアを開けたら目の前に堂々と腕を組んで立っていて、首にはヘッドホンを掛けている茶髪の女の子、萩嘉がいた。朝の挨拶をして僕たちは歩き出す。 萩嘉は女子にしては身長が高く僕よりちょっと大きい。僕の身長は約165cmだから萩嘉は約170cmはあるだろう。髪型はぼさぼさの長い髪を首の後ろで結んでいる。髪の長さは肩甲骨の所くらい。容姿はかなり整っているのにもったいない。それでもぼさぼさの状態でもかなり美人には変わりないけど。僕がそんな事を考えていたら萩嘉が口を開ける。 「それにしても来るのが遅かったな」 「いや………遅いっていうか早い方だよ? なんせ走ったんだから」 「まぁいいさ。何せ私は機嫌がいいからどんな事でも許せるのさ………例えばの話をしようか。地球に宇宙人が来て地球の半壊しても、私は許して宇宙人を笑顔で宇宙に帰るのを見送る事をできるぐらい今は機嫌がいいのだ」 萩嘉は歩きながら顔をこちらに向けニコッと笑顔を見せてきた。今の話を聞いて僕はツッコんだ。 「規模がデカすぎるわ!!しかも、お前が許しても皆が許さねぇよ!!え………何?もっと軽いの無かったの?」 「言っただろ?例えば……と。そのくらい機嫌がいいんだよ………でも、可愛い女の子を傷つけたら許さないけどな。それくらい分かれよな」 「分かんねぇよ!!唯一分かったのはお前がバカだということだけだよ!可愛い女の子を傷つけたら?……もう地球が半壊してる時点で可愛い女の子は傷つくレベルを超えてんだよ!」 「なっ!!………」 突然、歩くのを止め萩嘉が下を向きワナワナと震えだした。僕は言い過ぎたと思い萩嘉に謝ろうとしたらバッと顔を上げた。そして 「宇宙人………許すまじ!!私は許さないぞ!!私の可愛い女の子を傷つけるなど言語道断!!」 「もういいよ」 それから、萩嘉と喋っていると遠くの方に大きな学校が見えてきた。徐々に近づいて学校の正門が見えてきた。正門に『入学式』と書かれた看板が掛けられていて、学校の中を見ると親と一緒にいる新入生たちがたくさんいた。 言っておく。僕たちの親は後で来るのであって来ないことはない。これだけは言っておきたかった。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加