合宿『一日目』

3/9
前へ
/23ページ
次へ
「浅倉さんってそんな人だっけ?もっと優しくなかった?」 「そうよ?元々私はこんな人よ。あぁ、後そんな人って心外だわ」 僕は一応悪い事を言ったので謝った。それより、さっきから気になることがある。それは………″萩嘉が一言も喋らない″からだ。普通の人から見たら何もないかも知れないけど、長年一緒にいる僕からしたら異常だ。 まず、萩嘉は気になる子がいれば積極的に動くのだ。ましてや、隣に気になる子がいれば話さない訳がない。それなのに今は一言も喋らない。だから気になって浅倉さんに聞いた。 「ねぇ、浅倉さん。萩嘉は何してるの?」 「漆原さん?……漆原さんなら″寝てる″わよ」 「寝てる?」 ″寝てる″にびっくりした。僕の位置からは萩嘉が見えない。でもおかしい………だから僕は席を立ち萩嘉達を見た、そこで見たのは、萩嘉が浅倉さんの肩に凭[モタ]れるようにして寝ていたということ。 僕の感からしたら萩嘉は寝ていない。多分浅倉さんに凭れてどさくさに紛れて匂いでも嗅いでるのだろう。 「仁科、僕ちょっと眠たいから、ホテルに着く前に起こしてくれる?」 「ん?あぁ、いいよ。でも5時間も寝たら夜寝れないぜ?」 「大丈夫。僕は昼寝ても夜は寝れるから」 僕はそう言って窓に凭れて眠った。 それから目的地に着く前には起きた。ちゃんと仁科は起こしてくれた。僕が起きたときには萩嘉が浅倉さんと楽しく喋っていた。 そして、バスがホテルに着いたので僕達はバスを出てホテルに入って萩嘉達と別れて自分の部屋に入った。ホテルの大きさはデカい。ただそれだけ。部屋割は2人部屋で僕の班には仁科だ。なんで2部屋かと言うと人数のせいだ。他の男子は3人部屋だ。萩嘉の班は3人部屋で浅倉さんと後は1人女子だ。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加