畏敬暴走、剣崎異変

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軍事パレードが終わり、三善は自分の事務室の黒電話の受話器を握っていた。 ジー、ガチャ、ジー、ガチャ、とダイヤルを回す音が鳴り、三善は普段良く使う内線ではなく、外線へ繋げる。 目的は一つ。決議会にもパレードにも参加しなかった傭兵部隊、 BCOMの事務所。 何度かコール音が聞こえ、彼は剣崎が電話に出るのを待った。 ごつい指が、書類の散らばる木製の豪奢な机をトントンとリズミカルに叩く。 四度目のコール音の後、ガチャと音が聞こえ、指揮官剣崎の声が聞こえる。 『こちら信頼と安全のBCOMです。ご用件をどうぞ』 「私だ。自警軍司令の三善徹雄准将だ」 壮年の男は、まだ若い傭兵へ、間髪入れずに、強めに言った。
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