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三善は手紙を素早く書き上げ、内線の黒電話のダイヤルを回し、繋いだ。
『こちら笹鳴中尉、名前、階級、用件を通達されたし』
三善は、副官の声を聞き、盛大な深呼吸を一つし、言った。
「私だ、三善准将だ。笹鳴、今すぐ私の部屋へ」
『ハッ、畏まりました。直ちに参ります。では、お電話を切らせて頂きます。失礼します』
三善は、切られた電話をゆっくりと置き、それと同時に、笹鳴の声が、ドアが三回ノックされた後に聞こえた。
「三善准将、笹鳴中尉、ただいま参りました」
「入れ」
三善はただ一言そう言い、笹鳴を部屋に入れた。
「三善准将、ご用件は何でしょうか」
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