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「じゃあさ、貴方は?私の寝所にいるけど私の何?」
まさか恋人などと言われたら卒倒しそうだ。
「……王子、と答えられれば良かったのだがな。」
目の前の綺麗な碧色の瞳をした男は目を伏せる。
「姫。この世界の姫はお前しかいない。それから、お前以外姫は必要ない」
「いや、訳わかんねぇしっ」
どんな夢だ。18にもなってお姫様になりたいなんて思っていたなんてびっくりだ。
「……そうだな。やっと、待ち望んだ姫が目覚めたのだ。まずは国民と王子に知らせなければなるまい」
これっぽっちも理解できないのだが。
目の前の男は名乗らないし、ワケわからないことを喋るし。
夢だ、と認識しているから焦りも慌てもしないが。
「上手く説明できる人、連れてきてよ」
男は優しく微笑み、頷いた。
「あぁ。分かった」
どきりと、その瞬間ゆりあの胸が高鳴った。
「な……わ、笑うの禁止なっ」
外人にときめくなんて。
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