夢の始まりに

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「そう。目覚めたの」 「そのようです」 「彼女は自ら戻ってきたのね。……彼は?」 暗い暗い部屋。 男女二人の声が響く。 「同じく目覚めました」 「そう。やっと、物語が進む。結末は、彼女次第ね」 男は静かに頷く。 「さぁ、お姫様。貴方の選択を教えて」 形の良い唇を歪め、高貴が感じられる声で笑う。 その部屋には、大きな大きな全身が映る丸い鏡があった。豪華な宝石や装飾で飾られた鏡には、ゆりあと、一人の男性が映っていた。
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