夢の始まりに

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「ふはー。気持ち良かったぁ、この風呂」 用意されていた薄ピンク色のドレスに着替え、外で待っていた青年の後ろを歩く。 「それは良かったな。今からお前が向かうのは、謁見の間。それから、王子も」 「は?王子!?まてよ、まさか婚約者とか言わないだろ?」 「そのまさかだが?何か問題でもあるのか?」 しれっとして言い切る青年に苛立った。 「大アリだ。いくら夢っつっても嫌だ。会ったこともないやつだし」 だが、返ってきた返事は予想と違った。 「いや、会ったことがあるだろう。王子は姫と同じ時間に眠りから目覚めたらしい」 「会ったことがある?」 長い長い廊下を歩いていた青年の足が止まる。 「会えば分かる。ついたぞ。ここが謁見の間だ」 青年は衛兵に声をかけ、扉を開かせる。 「なんだよ、一体……」
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