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「よく似てるのかしら?……夢だからこの世界の登場人物が似ていても仕方ないわね。私は、予言者とでも言いましょうか。それとも、傍観者とでもいいましょうか」
違うのかと、ゆりあは安心半分ショック半分。
「難しい立場なの。だから、私はこの世界のトップとでも言っておきます。分かりやすいでしょう?」
「あ、はい……」
「俺達は何をしたらいいんですか?」
戸惑うゆりあとは対照的に、相馬は真剣な表情で女性を見つめる。
「ふふっ……分かりません。それは、姫しか分からない」
「わたし?」
女性はゆっくりと頷く。
「具体的に何をするか、物語の進め方は私には分かりません。いや、誰も分からないの。ただ、一人をのぞいて」
そんなことを言われても、どうしたらいいかなんて分からない。
「再び世界は繋がった。それは、必要だったから」
女性の言葉は抽象的で、核心には触れない。
「王子、姫、タクト。心のままに動きなさい。さすれば自ずと道は現れる」
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