夢の始まりに

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「いい逃げかよ……」 「お前は何も考えなくていいってことだろ?」 相馬が菓子に手を伸ばす。ついでに紅茶に砂糖をみっつもいれている。 甘いもの好きな自分でもふたつなのに。 「お前、甘党か」 「あー、そうかも」 ゆりあは溜め息を吐いて、ティーカップに視線をおとす。 ゆらゆら。 琥珀色の液体に自分が写っている。 鏡が魔であり神でもあるなんて、思ったことないし。 長い長い、夢になりそう。
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