夢の始まりに

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これは、夢だ。 誰かが優しく、それでいて悲しく囁く。 目覚めたら、すべて忘れてしまう。だから大丈夫だ。辛いことも、忘れられる。 嫌だ。忘れたくない。 目覚めたくない。 このまま、夢の世界に居たいのに。 意識が、遠退く。 視界が黒く塗り潰されていく。 「……この気持ちを教えてくれてありがとう」 悲しく、美しく、切なく、優しく微笑む。 やだ。待って。 「私っ」 まだ、伝えてないのに
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