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「そういえば、もうすぐGWだよね。どっかいくー?」
帰宅途中、そんな話題がでて。
「あ、ごめん。私彼氏と旅行にいくんだ」
「あー、例の社会人?いってらっしゃい。私も1日だけ彼氏と会えるかな」
友達が口々に"彼氏"という単語をだす。
「ねーねー、ゆりあは?」
「バイト」
GWはバイト三昧だ。
「えー、彼氏くらいつくりなよ。いい人紹介しようか?前にゆりあと撮ったプリ見せたらめちゃ気に入ったみたいでー」
「パス」
ゆりあは即答で答える。
「どーせ、中身が残念だとか、思ってたのと違ったとか言われてしまいだし。つか、私に恋とか似合わないだろ?」
友人はえぇー、と声を上げる。
「もったいない。私、ゆりあの性格大好きだけど。大丈夫。顔で選ばない人は沢山いるって」
「……とりあえず、今は恋より友達優先、だし」
「むしろゆりあが私の彼氏になってほしいっ!!」
「あ、ありがと」
恋なんて、こりごりだ。
『なんかさー、ごめん。イメージと違ってた。別れてくれない?』
過去のたった一度だけ付き合った人を思い出し、ゆりあは溜め息を吐いた。
「皆で祭りに行きたいんだけど。ほら、4日。空いてる?」
「その日だったら空いてるー。」
「私も私も」
「行こいこ。でも、昼からでいい?」
ゆりあは微笑む。
「全然平気。じゃあ、また連絡するから」
「そか、バイト頑張ってー」
「おー」
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