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「ハァ………ハァ……」
あかねは智子と途中で別れ、自宅へ向かって走っていた。
頭の中は何故自分が狙われているのか、マザーとは一体どういう意味なのか……
そんな事でいっぱいで、混乱していた。
“バタン………カチャ…カチャ”
あかねは急いで鍵をかける。
と、その時あかねの携帯電話が鳴った。
“ピリリリリッ……ピリリリリッ………”
あかねの顔は一気に不安な表情へと変わる。
“…まさか……アイツ!?
でも私の番号なんて知る訳ないよね……”
画面を見ると智子からだった。
“智子………まさか別れた後に!?”
そんなネガティブな想像をしながらもとりあえず電話には出た方がいいと判断し、通話ボタンを押す。
「………はい、もしもし?」
『あかね!?大丈夫!?
ちゃんと家に着いた!?』
その声にほっと胸をなでおろす。
「よかった~智子も無事だったんだ~」
『当たり前じゃん!!狙われてるのアンタだからね!!
警察に連絡して、鍵かけときなよ!?』
「大丈夫、今かけたよ」
あかねは五分間程話して電話を切った。
「あかねー?帰ってるのー?」
母親があかねの話声に気付き、尋ねた。
「あ、母さん!!ちょっと警察に電話して!!」
「け、警察!?何があったのよ!?」
「殺人鬼!!私、さっき狙われたの!!
なんか怖いから部屋に居るね。
それにもぅクタクタだし……」
「さ、殺人鬼って!?
ちょっ…待ちなさいあかね!!」
あかねは母親の言葉を遮り二階の自分の部屋へ行き、鍵をかけた。
「ふぅ~………」
自分の家に着いたからか緊張の糸が切れ、安堵のため息をつくとそのままベッドへ倒れた。
「一体………なんなのよ……」
そうつぶやくと深い眠りについた。
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