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「あかねはどうした?」
時間は八時過ぎ、夕食どきで父親も帰宅していた。
「なんか“殺人鬼に狙われた”って慌てて帰ってきてすぐ部屋で寝たわ。」
「そうか……」
娘が殺人鬼に狙われたというのに全く心配していないようだ。
「その殺人鬼って言うのがどうも今ニュースであってるヤツみたいなのよ。」
「なに!?
警察には言ってないだろうな!?」
父親の反応があからさまに変わった。
「もちろんよ。
ようやく接触してきたのよ?」
「そうだな……
と、いう事は今日にでもまた接触してくる可能性が高いな……」
「えぇ、セキュリティはいつもより厳しくしてあるわ。」
この二人はまるでいつかこの日が来ることを知っていて、待ち望んでいたかのような会話を交している。
その時――…
“ピピ―ピ――…ピピ―ピ――!!”
「どうやら……早速来たようだな。」
父親はニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
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