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「危なかった~……
タっちゃんに捕まったら軽く一時間は説教だったよ~」
「それはあかねが悪いんでしょ!?
私まで巻き込まないでよ~」
そんな話をしながら古い一軒家が立ち並ぶ裏路地を通る。
人通りも少なく暗くなると危なそうないつもの道を通り帰路につく二人。
「てかさ~ここって暗くなると結構怖いよね~」
「いや、普通暗くなってからは通らないもん。
暗くなるときはアンタが寝過ぎて遅くなった時だけよ?」
「………………申し訳ありません。」
あかねは逆ギレするのも疲れ、素直に謝った。
その時――…
『お前……だな?』
「えっ!?」
突然、まるで耳元で囁かれたかのようにはっきりと低い声が聞こえ、ビクッとなりその場に立ち止まった。
「……?
なに?どうしたのあかね?」
「智子……今なんか聞こえなかった?」
「え?別に何も……」
どうやら智子には聞こえていなかったようだ。
この現象にあかねは少し怯えていた。
ふと気付くと前の方に男が一人立っている……
“あれ?……あの人いつからにあそこに…?”
その瞬間
“ブシュッ!!”
「え………!?
あ……あ゙ぁ………」
あかねの胸の間に深々と刀が刺さっていた。
あかねは悲痛と恐怖の入り混じったうめき声を出した。
「ゔわぁッ………!?」
さらに気が付けば色々な方向から刺されている事に気付く。
出血は致死量……
絶望的な状況に追い討ちをかけるように一太刀、あかねの首をめがけて飛んできた。
あかねがその太刀に気付いた時には既に首半分まで食い込んでいた。
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