一章:Surprise attack

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「……したの? どうしたのよ!?あかね!!」 その声で気が付く。 「えっ……私…刺されて……ない?」 「なに言ってんの!? 急に立ったまま痙攣みたいになったからビックリしたよ!!」 幻を見ていたのか…… あまりにリアル過ぎて冷や汗がドッと出ている。 「俺の殺気を受けて立っていられるのか…… 流石はマザーと言ったところか?」 その声で男が居た事を思い出す。 それにしても奇妙な格好をしている…… まだそこまで寒くはないのに厚着で色はほとんど黒一色。 顔の確認さえ困難な程深々とパーカーを被っている。 「今の……アンタがやったの!? いったいなんのつもり!?」 「なんのつもり……か、あんだけ殺気飛ばしたのにわかんねぇか…… まぁ、突然で悪いけど殺しに来たんだよ、マザー。」 男はそう言いながら刀を抜いた。 「なによ!マザー、マザーって!! 私そんな名前じゃないし!!」 そしてあかねの頭の中で男の背丈、武器でピンときた。 「………もしかして…アンタ今ニュースでよくやってる殺人鬼じゃない? 何、次のターゲットは私? 意味わかんないんですけど!! 大体アンタになんか殺され………ッ!?」 男との距離はかなりあった筈だが次の瞬間いきなり目の前に現れた男にかなり驚いた。 男は刀の刃をあかねに向けながら叫ぶ。 「ごちゃごちゃ五月蝿いなぁ…… 黙って殺されりゃぁそれでいいんだよ!!」 「ヤメテッ!!」 “バンッ!!” 智子が鞄を男に投げつけた。 「あかね!逃げるよ!!」 そう言いながらあかねの手を引き、走りはじめる。 “ドンッ…” するといきなり智子は倒れた。 「ちょっ…どうしたの!?智子!!」 どうやら気絶しているようだ。 逃げた瞬間、男は一瞬にして間合いを詰め、刀の柄で里子の首を殴ったのだ。 「アンタ……智子になんて事すんのよ!!」 「じゃぁ逃げんな……黙って殺されろよ。」 「ふざけないで!! アンタなんかに殺されないし、智子に……智子にこんな事してッ!! 絶対アンタを許さないから!!」 「どうぞ、御自由に……」 男は茶化すように言うと刀を振った。
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