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あかねは瞳孔が開いた目を見開いたまま瞬きもせずじっと男を睨んでいる。
刃は寸前で止まり、あかねの頬を薄皮一枚ほど傷つけていた。
変化が起きたのは男だ。
「くっ………
畜生ォッ!!アガァッ………!?」
男は腹部を抱えながら唸りはじめた。
それを好機とみてすぐさま智子の方へ駆け寄る。
「智子起きて!!逃げるよ!!」
「……ん…
あ…かね……」
ようやく智子を起こし、悶える男の横を通って逃げる事に成功した。
「ハァ…ハァ………
クソッ!!
……これがマザーの力だってのかッ!?」
叫びながら男は壁を叩き割った。
「絶対に………殺すッ!!」
男は唸るように叫んだ。
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