第1章 まだ物語は始まらない

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あたしは、木ノ下夕雨(キノシタユウ)。 彼は、大海祐(オオミユウ)。 名前の響きが同じで。 でも全然違うあたしたちだった。 夕方にあなたが生まれた時、急に雨が降ってきたの。 ―――そう、母は言っていた。 「優」にしようと思っていたけど。 なんとなくキレイだから、「夕雨」にしたのよ。 夕方の雨… なんとなく、意味がありそーでなさそーな名前。 あたしに相応しいかも。 祐くんは、名前負けしていない。 「祐」は、天の神様のご加護があるという意味だから。 あたしたちは幼なじみの同級生。 2人共ひとりっこで、両親が働いてるのが共通項。 .
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