第1章 まだ物語は始まらない

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あたしの家は両親が共働き。 どちらも仕事が忙しい。 物ごころついた頃には、両親の仲は悪かった。 母はあたしの出産前後を除いて、ずっとフルタイムで働いていた。 あたしが幼児の頃は、保育園に預けられ。 小学校に入ると、学童。 仕事が忙しい時期はシッタ―さんも… 保育園の頃は、仕事をセーブしていたようで。 あたしが大きくなるほど、母は仕事を増やすようになった。 毎朝洗面台の前に立つ母。 丁寧にまつげをビューラーで伸ばすのを、よく見かけた。 あたしを学校に送りだしてすぐ、出勤してゆくんだ。 帰宅は夜で、深夜になることもあった。 .
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